がんとともに、自分らしく、うつくしく。
がんは、もはや特別な病気ではありません。1981年以降、日本人の死亡原因の第1位となり、現在では二人に一人が生涯でがんを経験すると言われています。誰にとっても決して遠い話ではなく、私たちの生活と深く関わる病気になっています。
がんの歴史は古く、紀元前3000年のエジプトにはすでに乳がん治療の記録があり、4200年前のミイラからも乳がんの証拠が発見されています。しかし、「がんは遺伝子の病」と認識されるようになったのは、1976年に「がん遺伝子」が発見されてからのことでした。医学の進歩により、治療法は日々進化していますが、それでもなお、がんの診断は人生を大きく変える出来事です。
がんと向き合う日々の中で
診断を受けた瞬間、多くの人が戸惑い、未来への不安を抱えます。それは、がんサバイバー本人だけでなく、家族にとっても同じです。特に、抗がん剤治療による外見の変化は、想像以上に大きな負担となります。
厚生労働省の調査では、がんサバイバーの40%以上が、外見の変化を理由に「仕事や学校を辞めた」「人と会うことをためらう」と答えています。がんは体だけでなく、心や社会生活にも影響を与える病気なのです。
アピアランスケアを含む、緩和ケアがもたらす希望
一方で、緩和ケアの重要性が科学的に証明されつつあります。2010年に発表された研究(Temel JS et al., N Engl J Med. 2010;363(8):733-42)では、緩和ケアが患者の心身の負担を軽減し、生活の質を向上させるだけでなく、延命にもつながる可能性があることが示されました。がんの治療とともに、心と体を支えるケアが求められています。
私たちにできること
がんと向き合うすべての人が、自分らしく生きられる社会をつくるために。
私たちは、抗がん剤治療の副作用を和らげる製品やケアを無償で提供し、がんサバイバーとその家族が少しでも安心して過ごせるようなサポートを行っています。
「がんとともに、自分らしく、うつくしく。」
がんと診断されても、自分らしさを失わずにいられるように。
治療中も、前を向いて生きていけるように。
私たちは、その力になりたいと考えています。